みなさんは、普段からたくさんの広告に触れていると思います。
僕はデザイナーということもあって、広告を見つけるとビジュアルはもちろんですが、
特にキャッチコピーを普段から意識して見るようにしています。
キャッチコピーは、消費者の興味をひくための宣伝文句ですよね。
消費者の心を動かして、企業のブランディングに繋げたり、購買に繋げたり。
良いキャッチコピーは消費者が情緒的に良い印象を持ってもらい
興味を持ってもらうためのテクニックが満載です!
今回は、思わず見入ってしまったり、考えさせられるような
「心にグッとくる」最新の秀逸キャッチコピーを20個紹介します!
もくじ
さ、ひっくり 返そう。
■西武・そごう
2019年の元旦新聞でパイが女性の顔に直撃しているビジュアルの広告が物議をかもしTwitterでもトレンドになった西武・そごう。2020年は「さ、ひっくり返そう。」というメッセージも大きな反響を呼びました。
メインコピー通りに反対から読むとボディコピーの印象が一変、逆転劇が開始されるのがとてもユニークですね。めっちゃポジティブ!
画像引用元:西武・そごう
大逆転は、起こりうる。
わたしは、その言葉を信じない。
どうせ奇跡なんて起こらない。
それでも人々は無責任に言うだろう。
小さな者でも大きな相手に立ち向かえ。
誰とも違う発想や工夫を駆使して闘え。
今こそ自分を貫くときだ。
しかし、そんな考え方は馬鹿げている。
勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明だ。
わたしはただ、為す術もなく押し込まれる。
土俵際、もはや絶体絶命。
ここまで読んでくださったあなたへ。文章を下から上へ、
一行ずつ読んでみてください。逆転劇が始まります。
あいすべき、濃い時間に。
■江崎グリコ「セブンティーンアイス」
おなじみのセブンティーンアイスのスペシャルコンテンツサイトのキャッチコピーです。
女子高生視点の「なんてことない日常が愛おしく特別なモノに感じる瞬間」の心情描写と
セブンティーンアイスが「濃厚で美味しい」ことをうまく伝えていますね!
画像引用元:Glico
あいすべき、濃い時間に。
絆をつなぐ。seventeen ice
渇きを力に変えてゆく。
■大塚製薬「ポカリスエット」
2020年4月10日からユーチューブで公開されている「ポカリNEO合唱」。
コロナ余波でみんなで集まれない撮影不能な状態、しかし、
それを逆手にとったポカリCMに大反響がありました。
今のこの時代本当に必要とされる「強い言葉」にもなっているなと思います。
今はみんなで会えないけれど、歌は歌える。
画像引用元:ポカリスエット
だいじょうぶ。未来は元気だよ。
■藤子・F・不二雄プロ/藤子・F・不二雄ミュージアム
2020年4月に朝日新聞朝刊に掲載されたドラえもんからのメッセージ。
コロナ禍の今の全国民に向けて願いと希望を伝えるこの強いコピーは本当に感動しました。
未来のロボットドラえもんだから言えるこの説得力。感服です。
出典引用元:ドラえもんチャンネル
だいじょうぶ。未来は元気だよ。
テレワークが始まった。書類提出のために出社した。
■SmartHR
リモートワークが推奨される今、SmartHR社員が考案したこのコピーが
採用されたらしいですね!
しかも、緊急事態宣言のタイミングが重なって、インパクトが増したのか、
「共感した」「ハッとした」「一本とられた」と在宅勤務ができない人から
大反響だったらしいです。僕もすごく共感しました!!!
テレワークの課題をシンプルに表現していますね!
出典引用元:SmartHR
テレワークが始まった。
書類提出のために出社した。
本当に必要な仕事ってなんだろう。
時間をかけるべき仕事ってなんだろう。
企業のペーパレスかを支えるSmartHRは、
今日も全国20,000社で使用されています。
オジサンというより、少年のベテランに。
■mandom
3月16日は「ミドルの日」ということで掲載されたマンダム「ルシード」の40代に向けたエールメッセージ。
斬新な視点でミドルのことを規定しています!
新しい価値観の定義って本当に刺さるキャッチコピーになりますね!
もうかっこ良すぎる!!!
出典引用元:LUCIDO
オジサンというより、少年のベテランに。
わきまえるを知っているけど、あきらめるを知らない。
器量はいいけど、無茶をやる。
大人びた眼差しを向けたかと思えば、カッコいい車に興奮してみせる。
むかし少年だったその人は時を重ねて40代になった。
オジサンになった。というより、少年のベテランになっていた。
良識も知性もあるけど、無垢な感情を隠さない。
少年のベテランは心のフットワークが軽いのだ。
だからいくつになっても、思い立ったら羽ばたける。
心が示す方向へ、いつだって飛び立てる。
そんな人生の強さを少年のベテランは持っている。
少年のままの真っ直ぐで儚い豪快を失わないまま大人になったのだ。
40代という時の重みに縛られない自由な心。
ルシードはそんな40代の心を支えて歩いていきたい。
純粋な感情を誇リに思えるような勇気をもたらしていきたい。
日々の自信を胸に、心の向くままに進む40代が増えればこの時代はきっと、
前向きで明るくなるはずだから。
あの日の澄みわたる青い空は、まだ遠くない。
40才からを誇ろう。
応援は、どこからでも届く。
■朝日新聞社
残念ながら、今年の第102回大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響によって中止となりましたが、「高校生たちの熱い応援を今年も球児たちに届けたい」という想いで制作されたらしいです!
“現役高校生が高校球児を応援するCM”で試合に臨む高校球児たちに応援のメッセージ。
制限された環境下でもこうやって想いは届けられるということを
体現したキャッチコピーですね!
出典引用元:朝日新聞
がんばるな、ニッポン。
■サイボウズ
こちらも今の社会情勢にマッチした、テレワークの必要性を社長 青町さんからの力強いメッセージで構成しています。
日本人には馴染み深い「がんばれ、ニッポン。」のフレーズを逆手にとりとてもキャッチーで考えさせられますね!
経営者へ向けて社員に「無理して出社させない選択肢」を提唱していて、とても伝わりやすくパワーがあるメッセージ性は秀逸!!!
出典引用元:サイボウズ
がんばるな、ニッポン。
無理して出社させない選択肢を
経営者のみなさまへ
新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、
私たちの仕事に大きな影響を与えています。
緊急対応に当たられている方々の努力を無駄にしないためにも私たちは、
ウイルスの感染がさらに広がることを防止し、安全な職場環境を取り戻さなければなりません。
今こそ、私たちは出社や出張をがんばらせず、
テレワークという選択肢を検討すべきではないでしょうか。
学校が休校になり、イベントが中止になっても、
満員電車のなか出社しなければいけない人たちが大勢います。
デスクワークで済むこと、資料を見せて会話をすれば済むこと…
今のIT技術を使えば、在宅でも働けます。
出張しなくても仕事を進められるかもしれません。
テレワークを活用できる企業が増えることで、
どうしても出社しないといけない方々のリスクを減らすこともできます。
サイボウズは10年前からテレワークを実践してきました。
そこで今回、急ごしらえではありますが、
サイボウズがテレワークで得た経験を共有するWebサイトを開設いたしました。
ひとつの例として参考になれば幸いです。
また、Twitterで「#サイボウズにテレワーク相談」の
ハッシュタグをつけて質間いただければ、できる限り迅速にお答えいたします。
今、私たちの働き方が試されています。
がんばるな、ニッポン。
今後、こうした疫病や災害が起きたときのためにも、
無理して出社・出張させない選択肢を、一緒に増やしていきましょう。
2020年3月6日
サイボウズ株式会社代表取締役社長 青町戻天
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最近はコロナの影響で広告自体の露出も減少してきていますが、
今、この環境下だからこそ消費者に伝わるキャッチコピーもあるなと思います。
キャッチコピーは本当にその時代を現すなとつくづく思いましたし、
本当に心に刺さる、グッとくるコピーって共感や思想がうまく表現されていますよね。
このキャッチコピーを作る上で僕が得たポイントをまとめてみます。
- その時代の社会情勢はマッチしているか。
- その時代の価値観はズレていないか。
- それを読んで共感することができるか。
- 伝えるべき相手(ペルソナ)に向けているか。
- 勇気・ポジティブを与えられるか
こういう視点で見てみるとより大衆に届く、
伝わるキャッチコピーをうむことができるかもしれません。
みなさんもデザインをする上で何かヒントにしてみてください。